過去作

オリジナル
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ふと、懐かしい過去作の小説が見つかったので少しだけ、ここに載せようかと。

相方と僕の最初で最期の合作。
誰も知らない、僕らだけが紡いだ哀恋。
ここではオリジナルで載せます。
悲しいのが嫌いな奴…見るなよ?






最終話「好きとは」


『それで、話って何?』


私はぶっきらぼうに君に話しかけた。


「相変わらず、変わらないな。まあ、俺もだけど。」


そう言って笑った。その次の瞬間、颯爽と近寄ってきて


「なあ、俺、君が好きだよ」


予測していない言葉に私は


『はあ?!』


困惑して思考が停止し、予定調和のように君は語り続ける。


「…もう長くないからさ。」

『どういう…ッ』

「黙って聞いてくれ。」


今まで見たことのある私に向けてこなかったあの背筋の凍る表情を向けてきた。怖いとか、簡単に表せない…この物悲しさ。


「さっき言った通り長くないんだ、それで両親が延命させると強制で外国へ飛ぶことになった。」

『…』

「…俺は行きたくないんだ。もう十分生きた。そして君に会えた。これ以上望まない。」


そう言い、逸らされていた私の瞳と君の瞳が交差し絡み合う。


「だから、最期に君に全て伝えて…」

『死ぬ気なんだね』

「ああ、好きな君を置いて逝く。」


その真剣な瞳に迷いも正気もない、そんな君に私は…


『止める理由はある。』

「へえ、嫌いだと思ってたよ。」

『いや。嫌いだよ。大嫌いさ。』

「じゃあどうして?」

『嫌いだって思えるくらい君が好きだよ。』

「…」

『君を見る度、嫌な思いするし、イライラするし、自分がどうにかなりそうだった。死んでくれるなら好都合だ。もう苦しまなくて済む。』


大きく息を吸い込み、君をきつく睨みつけながら言った。


『嫌いなところがどんどん愛おしくて忘れられなくて…今もどうにかなりそうなくらい…君が大好きだッ!』

「…ありがとう。」

君は私を抱きしめながら…私は君の弱まる鼓動を聴きながら…


「『さようなら、愛おしい人』」


漏れた言葉を吹いた風が体温ごと攫っていった。

fin∮

米介(ヨネスケ)


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