【ULOGクリスマス】「平和と笑顔の雪の魔法」
#ULOGクリスマス クリスマス最高ランク : 9 , 更新:
テクノです。
メリークリスマス〜!
今日はULOGクリスマスの企画で小説を書いたよ〜。
結構長くなったの許してください……。
https://ulog.u.nosv.org/item/TSUKASATENMA/1671850869
の続編として書いたよ〜。
とーにーかーく、長い!!
でも頑張ったから読んで欲しい……!
それでもいいなら……どうぞ!
(最後まで読んでくれた人は勇者です)
凍てつくような真冬の空気の中。
もう、みんな寝静まったような時間。
……そんな中、忙しく動き回っている人達がいた。
「こっちは終わったわよ!」
「オレもだ!」
サンタさんとその弟子達が、必死でプレゼントを配っているのだ。
大勢いるサンタさんの弟子の中でも、サンタさん直属の弟子は3人。
その3人は、サンタさんと同じ家で仲良く暮らしている。
そのうちの2人……マイルスとフィーチェは、それぞれの担当区分のうちの1つにプレゼント配布が終わったところらしい。
「ところで、テノと師匠は?」
「師匠はもう別の街に向かった!」
“師匠”とはサンタさんのこと。
「それから、テノは……」
「……ああ、なるほどね……」
2人の目線の先には、1人の少女がいた。
彼女の名前はテノ。
サンタさんの直属の弟子である。
実年齢16歳にして精神年齢が10歳以下だとか、弟子たちの間で言われている。
「えっと、次があっちで……え???」
現在、テノはとても困っている模様。
「あー、配る順番を間違えたみたいだな」
「順番は紙に書いてあげたのだけど……風で飛ばされてしまったのかもね」
マイルスとフィーチェは顔を見合わせて、テノを助けに向かった。
これは、サンタさんとその弟子達が、一晩の間で世界中を飛び回って活躍する物語である。
「……よし、これでこの国は終わったわね!」
「次はこの北にある国だな」
テノ、マイルス、フィーチェの3人は、少し北にある国に向かってソリを飛ばした。
「うう……“今年からは、テノ1人で飛び回って仕事をしてみたらどうじゃ?”だなんて……お師匠、やっぱり僕には無理ですよ……」
今まで師匠であるサンタさんについてまわってお手伝いをしていたテノは、サンタさんが近くにいないことに不安を感じている様子だ。
「お師匠からその話を持ちかけられた時、“頑張って挑戦します!”って言ったけど……やっぱり不安だなあ……」
「大丈夫よ、私達がついているもの!いつでも頼っていいわよ」
フィーチェが優しく声をかける。
「でも、僕に付き添うことになっちゃったから、先輩達の効率が下がって、他の弟子のみんながもっと頑張らないといけなくなっちゃった……」
「まったくもう……そんな心配、しなくてもいいのよ?」
「そうだな!テノは足手纏いなんかじゃない。もしもその心配事が事実だとしても、師匠の効率が上がっているじゃないか」
マイルスはテノの頭を撫でてやった。
ただ、ソリの上から乗り出すような体勢だったので、マイルスは一瞬バランスを崩したように見えた……が、まあ、本人は平然そうにしているし……気のせいということにしておこう。
そうこうしているうちに、目的の国に到着したようだ。
「この国でも、話した通りに手分けをしましょう。私はあちら側ね」
「オレこっちだな」
「僕はあっちですね!」
「それじゃあまた、ここで落ち合いましょう」
それぞれは担当区分に向けてソリを進める。
今回はこのシリーズの主人公、テノに密着しよう。
「えっと〜。あ、これはこのおうちだね!こっちのぬいぐるみは、そのお隣さんだ〜」
最近の家は煙突がないことが多いので、ソリごと壁を貫通する魔法を使っている
壁どころか物や床なども貫通するから、一瞬で配達できる。
ただし、突っ込む側としてはちょっと怖いらしく、テノは壁を突き抜ける際に毎回目を瞑っている。
……え?
不法侵入だって?
……これはもちろん法律の外です。
じゃないとプレゼント配れない……。
子供達の笑顔のために頑張っているんだから、法律から外されているのです!
「……あれ?このミニカーって……どこに配るんだっけ?んーと……あっ!あそこか!」
順調に家に突っ込n……プレゼント配りをしていたテノは、突然止まることもある。
そう、テノは……効率と丁寧さが大事なプレゼント配りが向いていないのではと噂されるほどのおっちょこちょいなのだ!
幸い、プレゼントを配り間違えたり、落としたりすることはないので、心配は無用です!
……未遂ならあるみたいだけど、そこはご愛嬌ということで……。
住民が起きている家にはどうやって配るかというと……姿を消して配ります。
ただし、この魔法は少しの間しか使えない。
ずっと姿を消せるわけではないのだ。
その時、ソリについている無線から声が聞こえた。
[マイルス、フィーチェ、テノ。プレゼントを配りながらでいいから、聞いてほしいことがあるんじゃ]
その声は、テノ達が師匠と呼んで慕っている、サンタさんのものだった。
「あ、お師匠!」
テノは嬉しそうに反応した。
[聞いてほしいこと?]
[一体、どうしたんですか?]
マイルスとフィーチェの声も、無線から聞こえてくる。
[その国のプレゼント配りが終わったら、すぐにこちらに来てほしいんじゃ]
サンタさんが、はっきりとした口調で言う。
「えっ!?」
既に全力で大急ぎでプレゼント配りをしているテノは、驚いて叫んでしまった。
[何かそちらでトラブルでも……?]
マイルスが不安そうに問う。
[近年、戦争をしている国が多いじゃろう?その影響が、想像以上に酷いんじゃ……]
サンタさんによると、戦争のせいで希望を失ってしまったり、“プレゼントは要らないから平和が欲しい”と願う子供が増えているらしい。
「そっか……戦ってたら、プレゼントのことを考えてる場合じゃないもんね……」
テノは、心臓をナイフで刺されたような感覚に陥った。
貰って嬉しいはずのプレゼントなのに、“要らない”と思うほどに苦しんでいる人がいるのが、テノにとっては衝撃的だったのだ。
[笑顔が失われている……この状況は全くもって良くないな]
無線から聞こえてくるマイルスの声からは、落ち込みながらも考えている様子が伝わってくる。
いつも元気で笑顔のマイルスにしては珍しい。
[だから、なるべく早く……今すぐにでも協力してほしいんじゃ]
[でも、私達には平和をプレゼントすることができません……。人間が自分達の手で解決しないと……]
普段は明るいフィーチェだが、聞こえてくる声は悲しそうだ。
[そこで——ホワイトクリスマス計画を実行しようと思うんじゃ]
一瞬、テノには意味がさっぱりわからなかった。
でも、すぐに気がついた。
「僕が前にやった魔法……!」
以前、テノは綺麗なホワイトクリスマスをプレゼントしたいと思い、雪を降らせる魔法をこっそりと練習して、当日にサンタさんの前で披露したのだ。
[戦争をしている国に雪を降らせて、少しでも心が和らぐようにしたいんじゃよ]
自分の師匠の意図を完全に理解した3人は、すぐに行動に移した。
[じゃあ私は他のみんなにこのことを伝えて、私達の代わりにプレゼント配布をお願いするね!]
おそらく、フィーチェはスマホを取り出して、他の弟子達に連絡を取っている。
[オレは今すぐに担当区分を終わらせ……終わりました!]
マイルスは光速レベルで現在いる国の担当区分を終わらせた。
[マイルス仕事早くない!?]
[まあな!よし、今からテノの手伝いに向かおう!]
「わあ、マイルス先輩、ありがとうございます!僕もなるべく早く、そして丁寧に頑張らないと……!」
テノはとても意気込んでいる様子。
1分も経たずしてやってきたマイルスと協力し、あっという間に担当区分にプレゼントを届けた。
[私もこの国の担当区分は全部配ったよ!それから……みんな、お仕事を引き受けてくれました!]
[3人とも、ありがとう。それから、集合する国じゃが——]
3人は、サンタさんに言われた場所に向かった。
「お師匠〜!!」
「お待たせしました!」
「それで……これからどうするんですか?」
サンタさんの元に到着した3人。
いつでも魔法を使う準備はできているようだ。
「まず……知っての通り、わしらが使う魔法は、笑顔から生まれた魔力でできている」
サンタさんの言葉に、3人は頷いた。
「そのため、世界中を包むような大きな魔法は滅多に使えないんじゃ。そもそも、南半球では夏だから、雪を降らせても溶けてしまうし」
3人は真剣な表情で師の言葉を聞いている。
「——そこでわしが考えたのは、“4人で一度に魔法を使う”というものじゃ!」
「4人で一度に……?」
「みんなで同時に同じ魔法を使うと、魔力の消費を抑えることができて、効果も増えるのよ」
首を傾げたテノに、フィーチェが説明をした。
「へえ……!そうだったんですね!勉強になりました!」
「世界には数えきえないほどの戦争があるんじゃ。国と国の間で起きていたり、民族間で起きていたり……」
現在4人がいるのも、争いが絶えない国の上空だ。
「そう言った戦争が起きている場所全てに魔法をかけているとキリがないが……今から、なるべく多くの場所に雪を降らせに行くのじゃ!」
サンタさんは力強く言った。
「「「はい!」」」
弟子の3人も強く頷く。
そうして、4つのソリは滑るように動き出した。
4人はいくつもの国に雪を降らせに行った。
「せーのっ!」
「「「「ホワイト・パウダー・スノー!」」」」
テノの掛け声の後に一斉に呪文を唱えて、雪が降り始めるのを見届けてから、次の場所に駆け出す。
「……あ、みんな配り終わってきてるみたい!」
スマホの画面を見て、フィーチェが言った。
多くの人から配達完了の連絡が入っているのだろう。
さっきから、スマホがピコピコと鳴り続けている。
「師匠!あと20分くらいで全部配り終わりんじゃないかなと思いますよ〜」
「この地域、日の出まであと30分はありますし、間に合いそうで良かったです」
マイルスは心底ホッとしたような顔をしている。
「そうじゃな。後でみんなにも礼を伝えなければいけないのう」
「僕達も、ホワイトクリスマスの大企画を成功させましょー!」
テノは笑顔で手を挙げた。
……そして。
「ここで最後だ!」
「みんな、プレゼントは配り終わったみたいだし、今年の仕事もこれで終わり!」
「行きますよ〜……せーのっ!」
「「「「ホワイト・パウダー・スノー!」」」」
最後の地域に雪の贈り物をして、今年のクリスマスの仕事は幕を閉じた。
サンタさんの家にて。
「「「「ただいま」」」」
弟子の3人はお疲れ気味の様子。
「つ、疲れちゃった……」
テノはソファに倒れ込んだ。
フィーチェとマイルスは、思わずため息をついた。
「今年は全員が過酷な労働だったに違いないのう」
魔法を大量に使ったのだから、疲れるのも無理はない。
4人が魔法をかけて回るために配れなかったプレゼントは他の弟子達が配ったのだが、その負担は元々の担当区分の倍近くになってしまっただろう。
サンタさんやその直属の弟子が配るプレゼントの量は、普通の弟子よりも多いのだから……。
それに、サンタさんもその弟子達もみんな、24時間ずっと起きてプレゼント配りをしていた。
なにせ、世界中が同じ時間に夜を迎えるわけではないのだ。
ある地域が夜でも、その反対は昼なのだから、その地域の夜の時間にもプレゼント配りをしなければならない。
「疲れたし、お師匠がいないプレゼント配りは大変だったけど……でも、楽しかったです!来年はもっと頑張らなきゃ!」
「そうね!」
「多くの子供達の笑顔のため、また、来年の準備もしよう」
「来年も、お師匠なしのプレゼント配りに挑戦しようかなあ……?」
「そうじゃな。わしも応援するぞ」
「プレゼント配りをしてる途中は『失敗しないか不安』って言ってたのに、いつのまにやる気がみなぎってるわね」
「あの時はただただ不安で、大事なことを忘れてたんですよ……!」
テノは大慌てで弁明する。
「なんだ?大事なことって」
「“挑戦する人間に失敗はつきものだ”っていう言葉です!失敗ばかりの僕が、『失敗は悪いことじゃないんだな〜』って思えるようになった言葉なんですよ〜」
「テノ……!なんていい子なんでしょう!」
「わわっ!?」
「フィーチェ、テノが困ってるぞ……」
急に抱きついてきたフィーチェに対して驚きながら、テノは言葉を続けた。
「だから、来年も、お師匠が近くにいなくても頑張ります!いつか、先輩達の力も借りずに1人でプレゼントを配れるように!」
「絶対絶対応援するわ!こんなにも健気で可愛いテノの頑張りなんだから!」
「そうだな!でもまずはテノを離してやれ」
「明日は、ケーキをみんなで食べるとするかのう」
「ケーキ!」
サンタさんの言葉に、テノが即座に反応した。
毎年、クリスマスプレゼントを配った後、4人は一度寝てからクリスマスケーキを食べている。
「それに、プレゼントも……」
「今年のプレゼントはなんだろう……!」
これまたテノが即座に反応した。
ケーキを食べた後、サンタさんからプレゼントをもらうというのも、毎年の恒例行事となっているのだ。
「それは起きてからのお楽しみじゃよ」
「じゃあ、今すぐ寝なきゃ!」
「そうね。今日は疲れたし、私も寝ましょう」
「ああ、おやすみなさい!」
「「「「メリークリスマス!」」」」
今もこの世界のどこかで、クリスマスを祝っている。
“聖なる夜のプレゼントで、みんなが笑顔になれますように”
そう思いながら、サンタさん達は1年中頑張っている。
はい以上!
だから言ったでしょう?
「とーにーかーくーなっっっっっっっがい」って!
ちょっと今日中には無理だけどテノちゃん(CV.テクノ)で「群青讃歌」もやるつもりだよ!
長すぎるのでこれで切ります……(´;ω;`)
それではまた今度!
てのてのてくの(*・ω・)ノ
——貴方を笑顔にしたい、救いたい——
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