【完結】その温もりを来年も

単発小説 あけましておめでとう カタツムリ
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最高ランク : 97 , 更新: 2018/05/31 4:22:31

お正月、初詣に行くそらまふのお話。

実際はLIVEをされていたので

事実捏造になります。


注意

・BL,nmmnの作品です。

・歌い手様のお名前をお借りしています。

・ご本人様とは一切関係ありません。

・以上理解してお読みください。

Sside

「そらるさん!初詣行きませんか!」

今年おそらく一番隣にいたであろう
自分の相棒であり恋人のまふまふ。

そんな彼と、二人して寝転んでだらだらと
部屋で過ごしていたら、

突然スマホを見ていた顔を上げて、
キラキラとした目でそんなことを言い出した。

「なんで今?突然?」

べつにいいけど、でも外寒いじゃん、
わざわざ出るの?引きこもりって豪語する俺達が?

そんな文句はぐっと心にとどめて、
それだけとりあえず聞いてみる。

思ったままを言ってしまえば、
望まぬ衝突を生むことは彼と長く隣にいて

充分に学んだ。

せっかくの大晦日、二人の時間。

できれば穏やかに、ほんの少し睦み合って
過ごしたいと思うのが当然だろう。

そんな俺の心中を知ってか知らずか、
笑顔のままでまふまふは口を開く。

「今いろんな人のツイートを見てて、
楽しそうだなって思って!

ちょっと寒いかもだけど、マフラー巻いて、
手袋して、ってあったかくして、

一緒に行きませんか!」

わくわく、と効果音がつきそうなほどの勢いで
じっと目を見てそう言われてしまえば、

俺に選択肢はないようなものだった。

その期待いっぱいの目に俺が弱いことを
彼ははなして自覚しているんだろうか。

分かってないだろうな。絶対。

時計を見てみれば10時半。

今から行ってどこが一番近いだろうか。

というか今からでも間に合うのか?

思案しながらスマホを取り出して調べていく。

近所の小さな神社くらいなら、
割とすいているかもしれない。

「ちゃんと防寒対策しておいで。」

そう声をかければ、まふまふは嬉しそうに
クローゼットへとかけて行った。



「うぉ、さっむ···」

手早く用意したはずが、
あーでもないこーでもないと

お互い口を出し合いながらだと
それなりに時間もくうわけで、

なんだかんだと家を出る頃には11時近くになっていた。

肌を刺すような冷たい風に身震いして、
思わずマフラーに顔を埋めてうー、と低く唸った。

さむい。これは凍え死ぬ。

まふまふも同じことを思ったようで、
さむいですねー、と苦笑いでそう言われた。

「歩いて十分か、途中でコンビニ寄っていこ」

「はあい、あったかいもの買いましょー」

街中はクリスマスから大晦日、お正月まで
イベント尽くしで、

イルミネーションが木々を彩っていて、
それをみながら歩く影も多く見られる。

この中の何人が友人で、何人が恋人で、
何人が家族なんだろう。

俺たちはやっぱり、友人に見えるのかな。

ちらりと隣のまふまふを盗み見れば、
キラキラと光るイルミネーションを見ていて、

でも俺の視線に気づいたのかこちらを向いて、
楽しそうにはにかんだ。

あ、かわいい。

ふとそんなことを思って、
恥ずかしくなって、

わしゃわしゃとまふまふの頭を撫でて誤魔化す。

「え、え?そらるさん??」

なんだなんだと混乱してる様子のまふまふは無視して、
俺もイルミネーションに目を向ける。

別にここ最近はよく見ているし、
特別なものでもないはずなのに、

なぜだか無駄にキラキラと見えて思わず苦笑した。

まふまふが隣にいるから、と、
そんな恥ずかしいことを言えるようになるのは

まだまだ先のようだ。

「あ、コンビニあるじゃん」

目線の先に見慣れた明るい看板をみつけて、
ぽつりとそう漏らした。

「ふー、あったかい···」

中に入ればエアコンがきいていて
外とは段違いにあったかい、

まふまふも思わずと言った感じで、
そんなことを呟いた。

「まふ、何買うの?そらるさんが奢ってあげよう」

「え、やった!じゃああったかいココア!」

この会社のが美味しいんです!

と嬉しそうに笑顔を浮かべるまふまふを見ながら、
そういえば今日のこいつはよく笑うなぁ、

なんて、そんなことを考えた。

笑うのは、きっと泣くより体力を使う。

だからそれが出来るのは、すごくいいことだ。

「ほら、早く行かないと、
コンビニで年越ししちゃうよ。」

「え、それは嫌だ!急ぎましょ!」

「ちょ、お前今日元気だな」

「いいんですよ!深夜テンションってことで!」

ことで、ということは本当は違う理由なのか。

そうなると理由が気になる気もするけれど、
変に地雷を踏み抜いてしまうかもしれない。

触らぬ神に祟なし、
触れぬ話題に地雷無し、だ。

機嫌がいいならそれでいい。

コーヒーとココアと、
それからあったかくて美味しそうだと

肉まんとピザまんをひとつずつ買って、
お互い半分ずつわけあった。

いいなぁこういうの。

平和で静かで、普通の恋人って感じがする。

別にいつもが
普通じゃないと思ってるわけじゃないけど、

やっぱり多少自分たちの関係には
嫌悪とか偏見が付きまとうわけで。

その点、夜の闇は人の影をうまく隠してくれて、

今なら男か女かなんて
近づかないとわからなそうだ。

他のカップルの様子を見て、
まふまふの方を見て、3秒思案。

そしたら。

「わ、ぁ!?そらるさん?」

肩がぶつかるくらいまでまふまふに近付いて、
ぎゅっと驚く彼の手を握った。

そのまま自分のポケットの中につっこむ。

指と指を絡めあって、いわゆる恋人繋ぎ。

そらるさん!?

と小声で咎める声は聞かない。

まふまふはわりと子供体温だから、
その手もじんわりと暖かかった。

「どうせみんな自分たちのことでいっぱいだよ。」

俺と手繋ぐのいや?

そう囁いてやれば、
まふまふはぐっと押し黙って、

「いや···じゃない、です···」

って呟いて、少し困った顔をする。

なんだか振り切れないなぁ。

別に、まふまふの気持ちが
わからない訳では無い。

ここはまだいつもより少ないとはいえ、
人影の多い外である。

目線も増えるし、
もしかしたら誰か気づくかもしれない。

それでも、せっかくの機会なのに、
その手を取らないのは男としてはどうかと思う。

まふまふは少し不満そうだけど。

「あ、ほら、神社見えてきたよ。
そんなに多くなさそうだね。」

遠目に神社の灯りを見つけて、
人影はそんなに多くなさそうだ、と考える。

それでも、小さな神社に集まるには
充分そうな人数ではある。

100とか200とか、そんな感じだろうか。

「参拝列も並んでるね。」

それでも数メートル並んでいるだけで、
0時を過ぎて動き出したら、

5分程度で参拝できそうだ。

列の最後尾について、
はあっと息を吐くと真っ白になった。

「まふまふ、マフラー引き上げて···」

下がってきた、と顎と首と差し出すと、
何やってるんですか、と苦笑されてしまった。

だって左手はまだ繋いでるし、
右手は寒くてポケットから出したくない。

その点まふまふは手袋しててずるい。

右手の手袋は繋ぐ時取ってやったけど、
ポケットの中だし寒くはないと思う。

「ねぇ、そらるさん···」

「ん、なに?」

おずおず、とか恐る恐る、とか
そんな感じでまふまふが俺に声をかけて来るから、

トイレ?ってきくと怒られた。なんで。

「どーした?」

「そらるさん、あの、手、まだ···」

そんなことを言いながら、
俺のポケットに入った自分の右手を

ゆらゆら、ゆさゆさ、落ち着かないように
忙しなく動かしていた。

その動きを封じるようにぎゅっと手を握り直して、
離してやらない、と意思表示した。

ちょっと不満そうな顔。でも知らない。

この手は年を越すまではなさない。

今そう決めた。

「大人しくあきらめなさい。
あ、あとでおみくじひこうか。」

そう声をかけてもまだ不満顔。困ったなぁ。

いやほんとに困ってるかと言われると
わりと全然なんだけど。

「まふまふの手、あったかいから。」

「へ?」

きょとん、と間抜け面して、
何言い出すのそらるさん、と目が語っている。

「まぁまぁ、最後まできいてよ。
年末だし、ちょっと普段言わないことを言おうかと。」

はぁ···と納得したようなしてないような、
曖昧な返事をしたまふまふに苦笑いして、

それで、と言葉を続けた。

「今年は年明けまでこの手離さない、
って今決めた。

それで、ちょっと恥ずかしいんだけど、
今年1年、まふまふの隣にいて、

いろんなこと分けあえて、嬉しかったから。」

一旦言葉を切って、
本当だよ、と笑いかける。

まふまふはなんとなくこの雰囲気を察して、
あ、とか、う、とか、なんだか気まずそうだ。

「それで、来年も、すぐ今年になっちゃうけど、
来年も俺の隣にいて、

このぬくもり、俺にわけて、
楽しさも悲しさも、分け合いたい。

隣にいても、いいですか?」

まふまふは大きく目を見開いて、
一瞬泣きそうな顔をして、

それから、花が咲くように綺麗に笑った。

「なんか、プロポーズ、みたいですね。

いいですよ、
僕のことも、隣においてください」

その返事に、プロポーズははずかしいな、
と顔を見合わせて笑ったら。

かーん、と大きく鐘の音が響いて、
周囲がわっと沸き上がる。

「カウントダウン、してみる?」

「あはは、いいですね!」

時計をみながら、
二人で小さく時間を数えていく。

わりとすぐに、その時は来た。

「5···4···3···2···!いーち!」

二人顔を見合わせると、
最後の鐘が大きく響いて、

周りでおめでとうが飛び交った。

もちろん、俺たちだって言うけれど。

「あけましておめでとう、まふまふ、」

「おめでとうございます!そらるさん!」

なんだか、すごく贅沢な時間を
過ごしている気がする。

そう思って笑えば、列が動き出して、
前の方からお賽銭を投げる音が聞こえてきた。

「ふふ、そらるさん、何お願いするんですか?」

「そうだなぁ。一番のお願いは、
もう本人に叶えてもらったしなぁ。」

そんなことを言いながら
ちらっと、隣の顔を盗み見てみれば、

それはずるいですよ、
と繋いでいない方の手で頭を小突かれた。

ふつーに痛いからやめてほしい。

お前とじゃれあいながら、笑い合いながら、
たまに泣いて、喧嘩して。

そんな平和で穏やかで、幸せな生活が願いだよ。

そう心で呟いて、きっと叶えてもえるんだろうなぁ、
と、なんとなく、そんな予感がした。



あけましておめでとう、
今年もお前と、歩いていきたいよ。

*Fin*


🎍🎌あけましておめでとうございます!⛩🐶


2018年!HAPPY NEW YEAR!です!笑

12時間チャレンジなんて題して

二作品かこうとしたんですが、

ちょっと無理がありました。笑

さて、よければ真面目なお話に、

ほんの少しで構いませんのでお付き合い下さい。

まず、2017年はお世話になりました!

このアカウントを使い始めたのは

まだまだ最近ですが、

作って良かったと思うことが多々あります。

今年はさらにたくさんのものを

たくさん書きたいなぁ、とおもったり。

歌詞天や最近はユキモモなんかも書きたい!

と思っていて、やりたいことが沢山あります。

というわけで、

今年もよろしくお願いします!

カタツムリ(賢夢律)

カタツムリ


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【完結】Love bonbon
2018/05/31 4:20:57 カタツムリ

時間軸的にも意味的にも遅刻です(ごめんなさい) 今回はちゃんとそらまふ。 ...


ユキモモ初納
2018/03/11 0:29:56 カタツムリ

「ねぇモモ、僕のどこか好き?」 「え」 お気に入りのワインをものすごく絵...


わるいくせ
2017/11/25 3:38:07 カタツムリ 1

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